2011年03月25日

3月25日 11:30 原子力安全委員会 第19回 臨時会議
配付資料(1)緊急時モニタリング及び防護対策に関する助言(案)

 
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan019/index.html



緊急時モニタリング及び防護対策に関する助言 (案)


平成23年3月25日
原子力安全委員会


1.緊急時モニタリングの考え方

@ 既に、指摘したところであるが、これまでの風向きの傾向を考慮すると、特に発電所から“南”、“北”、並びに“北西”方向の大気中の線量等量率の測定に合わせて、大気中のダストサンプリングの測定を強化し、その推移を注意深く見守る必要があると考える。

A モニタリング車による測定は、異常状態の状況に応じて機動的に活動でき、必要な情報が迅速かつ広範囲に得られるので、引き続き重要である。

B 更に、航空機による測定は、地上に沈着した放射性物質を広範囲にわたり迅速に調査するためにも有効であり、文部科学省においては、航空機による測定も考慮しつつ、より効率的な緊急時モニタリングの方策を検討することが望ましい。


2.防護区域の考え方

@ これまでに、緊急モニタリングのデータが蓄積され、また、限定的な情報しか得られていない現時点における状況下での試算ではあるが、SPEEDIのシミュレーション結果が得られている。

これらの結果に加え、今後なお、放射性物質の放出が継続すると考えざるを得ない状況を踏まえると、20〜30kmの屋内退避区域のうち、線量が比較的高いと考えられる区域に居住する住民については、積極的な自主的避難を促すことが望ましい。

A 同屋内退避区域の上記以外の区域に居住する住民についても、予防的観点等から、自主的に避難することが望ましい。

B 自主的避難を促すに当たっては、あらかじめ、原子力災害対策本部及び現地対策本部が連携を図り、県外を含む避難場所を確保するとともに、汚染の可能性がある雨天を避け、地域の交通事情を考慮して行う必要がある。

C 現時点においては、緊急時モニタリングの実測データ及びSPEEDIのシミュレーション結果からみて、現在の防護区域を変更する必要は無いものと考えるが、今後の緊急時モニタリングの結果等を踏まえ、防護区域の見直しの必要性について適時に検討することが肝要である。特に、空間線量率が高い値を示している地域については注意する必要がある。

D 上記防護区域見直しの必要性に係る検討に当たっては、経済産業省において、種々のシナリオに基づいた評価を行うとともに、原子力安全委員会においては、SPEEDIのほか、必要に応じWSPEEDI(広域SPEEDI)を活用し、検討を行う。


3.安定ヨウ素剤服用の考え方

@ 屋内退避者が避難する場合は、避難を優先すべきであり、安定ヨウ素剤の服用は補完的なものである。

A 放射性ヨウ素による小児甲状腺の等価線量の予測線量が、100mSvに達するとみなされる場合に、全ての対象者に対し、安定ヨウ素剤の服用を開始する。

B 安定ヨウ素剤は、放射性ヨウ素の甲状腺への集積を効果的に抑制するため、予防的に服用するものであり、放射性ヨウ素が吸入あるいは体内摂取される前24時間以内または直後に服用することにより大きな効果を期待できるものであるが、24時間以降であれば、服用の効果は小さい。

C 安定ヨウ素剤の服用は、副作用を考慮し、原則1回とすべきであり、2回以上の服用を考慮しなければならない状況では、避難を優先させることが必要である。


4.その他

@ 空間線量率が高い地域においては、内部被ばくを考慮する必要がある。また、法令に定める被ばく限度を上回っていると想定される場合は、被ばく限度の趣旨等についての十分な説明が必要であり、今後、経済産業省は、関係省庁と連携し、その方策について検討する必要がある。

A 文部科学省には、SPEEDIによる試算の精度を高めるための緊急時モニタリングの強化
も要請する。
posted by - あじゃ - at 11:30 | TrackBack(0) | でんき関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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